![]()
以前の記事
リンク
最新のトラックバック
カテゴリ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
神田川 : とっくに出遅れた感もありますが、いまさらガンメタルブレイズとセイクリッドドラグーンのレビューです。 ゆーき : 今さら……。しかも同時発売だからって一緒にレビューしないでも。 神田川 : ん~。読んでみた結果一緒にレビューした方がいいかな、などと思うわけですよ。力造と千葉のヒロイックに対する見方を比較するうえでサー。 ゆーき : ヒロイック? 神田川 : そそそ、この二つのゲームは奇しくも「普通人には解決できない困難に立ち向かう超人」がPCになる。 ゆーき : ふぅん?まあベーシックといえばベーシックな。 神田川 : ちなみにセイクリッドドラグーンの世界設定コンセプトは「強そう」「大きそう」「すごそう」だそうな。 ゆーき : しょ、小学生の口喧嘩レベル!きん肉マンの超人みたいだ! 神田川 : そしてガンメタルブレイズの帯の売り文句は「スタイリッシュアクションRPG COOL&SWEETに只今見参」 ゆーき : うわああああっ! 神田川 : どうした、顔を覆って。 ゆーき : 余りの中二魂の輝きに目がくらんだよ……。 神田川 : この程度でくらんでいてはいかんな。 ゆーき : いや、くらんでおくべきだと思うな。 神田川 : ほれ、このP72のスラング集を読むがいい。 ゆーき : うわああああああっ! 神田川 : そしてこのP142のME、異形のフレーバーテキストを読むがいい。 ゆーき : ぎにゃああああああああっ!! 神田川 : まあ今見せたのは極端な例だが、ガンメタルブレイズは全編にわたってこーゆー雰囲気に満ち溢れている。 ゆーき : 全編なの!? 神田川 : おう。ワールドの用語だけではなくゲーム用語にもスィートだのデイムだの。能力基値ともいえるポテンシャルがBrave・Action・Spiritだの。 ゆーき : うーあ。 神田川 : 入れられるところにはスタイリッシュ的単語を入れてゲームをやる人間の雰囲気を盛り上げようって意図だろうけどね。そういう意味では徹底している。 ゆーき : スタイリッシュ的というか木曜洋画劇場的というか。 神田川 : ……あー、それが一番的確かもしれないな。舞台もそんな感じだし。 ゆーき : そうなの? 神田川 : 舞台はフォースっていう不思議エネルギーと科学が融合して発展してる異世界なんだが、イメージとしては80年代アメリカ・マンハッタンが近い。摩天楼、スラム、ギャング、私立探偵、ロックシンガー、拳銃、ドラッグ、ポールダンスする半裸のねーちゃん、そんな感じ。 ゆーき : べたなハードボイルドだね。……あれ?さっき主人公は超人とか言ってなかった? 神田川 : ああ、この世界は常にメナスという異世界からの侵略者に悩まされている。メナスは普通の生物がメナスファクターなる因子によって変異したもので、メナスになると世界そのものに害悪をばらまき始める。低度のメナスならただの銃でも倒せるが、中級以上のメナスになるとガンメタルブレイズというフォースをまとう人間にしか倒せなくなる。 ゆーき : あ、なるほど。そのガンメタルブレイズをまとうのが。 神田川 : ああ、PCたちブレイザーというわけだ。 ゆーき : なるほど、メナス退治の専門家になるんだね。 神田川 : ああ。ついでだからシステム的な説明もしておこうか。基本は2d6の上方判定。出目が12でスイート、2でデイム。 ゆーき : はい? 神田川 : 要するにクリティカルとファンブル。これにいろいろなモーションエフェクト(要するに特技)や装備の修正が乗るわけだが。まあその辺はどこにでもありがちなので説明は省くな。もっとも特徴的なルールは「シチュエーションカード」だ。 ゆーき : シチュエーションカード? 神田川 : ああ、このカードは他人に提示することにより、カードに書かれたロールプレイを要求することができる。 ゆーき : ……他人に?自分でなく? 神田川 : ああ。むろん要求なので跳ね除けてもいいんだが。しかし、要求を受け入れてそのロールプレイをすると、そのカードを「ブレイズトリガー」として取得できるようになる。そして、このブレイズトリガーこそが、このゲームにおけるコストなんだ。 ゆーき : コストってことは、つまりそれがないと特技とかが使えない? 神田川 : そういうことになる。また、達成値の上昇にも使える。 ゆーき : にゅぅ……割とめんどくさげだね。 神田川 : そだね。今メインはってるプレイヤーのやりたい演出とほかの人間の望む演出が一致するとは限らないし。 ゆーき : 出す方も難しいよね。下手なのだすと空気読めみたいな話になるし。 神田川 : うん。ただね、これは熟練者用のシステムではないと思うんだよ。 ゆーき : ん? 神田川 : いやさー、最近気がついたんだけどね。ロールプレイを振られて頭真っ白になっちゃう人っているじゃん。どうしても。 ゆーき : うん。まあ確かにね。 神田川 : そういう人に対しての助け舟として働くシステムなんじゃないかと俺は思った。 ゆーき : ああ、かっこいい演出思いつかない人に「こうするとかっこよくない?」っていうわけね。 神田川 : そういうこと。だからこれはたぶんロールプレイ支援システムではなくて。 ゆーき : ではなくて? 神田川 : ロールプレイ養成ギブスじゃないかな、と。 ゆーき : どんなだ!! 神田川 : いやだから、このゲームで次々と出されるシチュエーションカードをこなすうちにやがて立派な妄言ルーニーになれるという、そんなシステム。 ゆーき : 聞くだにありがたくないね。 神田川 : おれもそう思う。言葉を選ぶべきだったと今は反省している。 ゆーき : ……で、ほかに言うことは? 神田川 : このゲームをやる前に、ストレイトジャケットを読んでおくといいかもしれない。違うところは多いんだけど、雰囲気はかなり近いものを感じる。特に、メナス回り。 ゆーき : へえ? 神田川 : 孤児の少女を引き取った私立探偵とかそういう雰囲気が好きならお勧めかな。シナリオの参考にもなると思う。 ゆーき : ふむふむ。で、もう一方だけど。 神田川 : セイクリッドドラグーンか。そうさな。まず大雑把なイメージから言おうか。ガンメタルブレイズが木曜洋画劇場RPGだとすると。 ゆーき : だとすると? 神田川 : セイクリッドドラグーンは少年ジャンプ的ファンタジーRPG。 ゆーき : ……ワンピース? 神田川 : 古いところで言うとダイの大冒険かな。大まかな世界設定を言うと、西洋風ソード&ソーサリーな世界があって、その世界の八割は「魔境」なるものに浸食されている。 ゆーき : 魔境? 神田川 : ああ、どんなとこかというと、霧に覆われた異空間ってのが一番近いか。一般人がそこに入り込むと、よほど運が良くないと生きては帰ってこれない。通常の世界法則が全く通用しない異世界。それが魔境だ。とうぜん人間はそんなところで生活できないので、領土を広げたり浸食を食い止めたり魔境からでてくる怪物を止めるために、魔境を取り除く必要がある。 ゆーき : 取り除けるの? 神田川 : ああ、魔境は「竜鱗」と呼ばれるエネルギーの塊を中心に形成される。これを回収すれば魔境は消えるんだが、竜鱗はすべからくドラゴンと呼ばれる超生命体に守られている。それと戦えるのはPCたる竜脈使い(ドラゴンヴェイン)だけ。って感じだ。 ゆーき : なるほど、こっちも超人ものなんだね。 神田川 : 向こうは人類の生存圏を守る、こっちは人類の生存圏拡張のために戦うって感じかな。 ゆーき : ふーん。で、システム的にはやっぱりなんかロールプレイ支援システムとかあるの? 神田川 : それはないが、コストに工夫が凝らしてあるね。このゲームは「竜脈」というコストを消費して特技とかを使う。 ゆーき : 竜脈? 神田川 : ダイス目を固定したダイスプール、ってのが近いかな。常に四つのダイスを出目を固定した状態で確保しておいて、特技ごとに指示されたダイスを使うことにより特技発動。 ゆーき : ん、そのダイスは振り直すの? 神田川 : 一時的に取り除かれて、ラウンド終了時に振り直して補充される。んで、この竜脈は通常の判定、2d6上方判定なんだけど、にも使用される。 ゆーき : というと、達成値増加? 神田川 : いや、判定に振ったダイスの片方と交換できる。これによって達成値を操作したり、竜脈を整えたりができる。 ゆーき : んーと、つまり手札交換のように竜脈を整えながらラスボスに備えるゲーム? 神田川 : だね。そんなわけで、このゲームをやる時はダイスを振るためのつぼか何かがあった方がいい。竜脈にぶつかって混ざるとゲームが止まる。 ゆーき : つぼってそんな。 神田川 : コンビニとかで売ってる紙コップでもいいと思うけどね。透明の樹脂製ならいかさまの心配もないし。 ゆーき : ああ、なるほど。 神田川 : さて、そんな特殊なコストの話を除けば、このゲームはびっくりするぐらい基本的なファンタジーRPGだ。……なんせやることがダンジョン攻略。 ゆーき : え、そうなの? 神田川 : ああ、魔境の内部は時間制限ありの概念ダンジョンで表現される。 ゆーき : 概念ダンジョン? 神田川 : 物理的な壁や道じゃなくて、イベントが道でつながってるダンジョンと思ってくれ。迷宮キングダムとかサベッジサイエンスとかのあれだ。 ゆーき : ああ、なんかわかるよーな。 神田川 : 魔境に突入したPC達は、「魔境臨界」という空間自体の拒絶反応が起きる前に最深部にある竜鱗をゲットすることで脱出が可能になる。まあほかにも出口はあるけど、再挑戦はいろいろペナルティがあるからできればやらない方がいいかな。 ゆーき : てゆーか、それだけ聞くとほんとに迷キンだね。 神田川 : 影響は少なからずあると思うね。……だからこそ、おれはこのゲームの遊び方として一つ提案がある。 ゆーき : なんでしょう。 神田川 : 「PC達は地方領主とその側近」という立場で遊ぶほうが、公式の「フリーの傭兵」みたいな立場より面白いんじゃなかろうかと。 ゆーき : へえ? 神田川 : 領土拡張に成功すると、税収が増えてお金が入ってくる。これが基本で、王様とかの無茶な命令を聞かなくちゃならないとか、魔境からクリッターが攻めてきたとか、隣の領地が魔物に乗っ取られたとか、そういう風にシナリオバリエーションを増やしていくと。 ゆーき : まさに迷キンじゃん。 神田川 : おう。システムがシンプルで、「神器使い」「世界使い」「戦略級魔法師」やらの大仰なクラスがそろってるんだから、はなっからロイヤルでいいと思うんだよね。そもレベル1でドラゴンと戦うゲームなんだから。 ゆーき : でもそればっかりってのも。 神田川 : もう一つある。「PC達は海賊」 ゆーき : おい!? 神田川 : 魔境は海にも当然あるので、その海域に突っ込んでいっては冒険を繰り広げるという、まさにワンピースみたいな展開で遊ぶのもいいかと。 ゆーき : ああ、シナリオごとになんか特徴的な島がでてくると。 神田川 : そうそう、灼熱の島とか空に浮かぶ水玉の島とか。そうやってキャンペーンをするのがこのゲームの正しい遊び方に思えまする。 ゆーき : キャンペーン向きなの? 神田川 : データ見る限りはね。あ、そうだ。キャンペーンなら、もうひとつできそうなネタがあるね。 ゆーき : ? 神田川 : 「ふははははは!ヒロインの命を助けたければあの火時計が消える前に12の魔境を突破してこい!!」 ゆーき : どこまでジャンプのセンスなのーっ!!
by kandagawa8746
| 2009-03-16 13:55
| TRPG
|
ファン申請 |
||